2017-01-01から1年間の記事一覧

世界/社会に触れるノンフィクション vol.1

「建国大学」。この名を知っている人はどれくらいいるのだろうか。三浦英之『五色の虹ーー満州建国大学 卒業生たちの戦後』によると、そこは「日中戦争当時、日本が満州国に設立した最高学府」であり、「日本政府がその傀儡国家における将来の国家運営を担わ…

濃密な学びが得られる社会学の本 vol. 1

仁平典宏『「ボランティア」の誕生と終焉』は生み出された瞬間に〈古典〉となった本である*1。用語の選定も含めてゴリゴリの学術的文献であり、その選定には著者の選好も垣間見える。たしかにそれは学術的系譜に連なりつつも、どこか新しさを感じさせるもの…

中動態とは何かをめぐる旅

國分功一郎『中動態の世界』は「中動態とは何か」をめぐる思考プロセスにこそ本質があり、そこが抜群に面白い*1。これが『中動態の世界』を読んだ感想のすべてである。 一読しただけなので議論のすべてを咀嚼したとはとてもじゃないが言い切れない。しかし、…

本を書くこと、学者になること

細谷雄一さんの記事が出ていた。 青春とは、希望と不安が結びつくことで生まれてくる。そのどちらが欠けていても、美しい青春とはならない。 上の文章からはじまるエッセイは僕の心にグッとくるものがあった。その他にも、美しい文章が散りばめられていた。 …

ラポールとは何か

調査対象者との「信頼関係(ラポール)」が重要である。 社会には「表面的な付き合い」や「タテマエ」が存在するが、社会学の調査系の本にも「うわべ」にしか思えない表現はいくつも存在する。そのうちの一つが「ラポール」という言葉である。調査者と調査対…

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